公益社団法人日本実験動物協会

関連法規

「動物の愛護及び管理に関する法律」

目的

この法律は、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、 生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、 もつて人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的とする。

動物の愛護及び管理に関する法律(PDF)

動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針(環境省告示)

動物の愛護及び管理の基本的考え方

(動物の愛護)
動物の愛護の基本は、人においてその命が大切なように、動物の命についてもその尊厳を守るということにある。動物の愛護とは、動物をみだりに殺し、傷つけ又は苦しめることのないよう取り扱うことや、その習性を考慮して適正に取り扱うようにすることのみにとどまるものではない。人と動物とは生命的に連続した存在であるとする科学的な知見や生きとし生けるものを大切にする心を踏まえ、動物の命に対して感謝及び畏敬の念を抱くとともに、この気持ちを命あるものである動物の取扱いに反映させることが欠かせないものである。人は、他の生物を利用し、その命を犠牲にしなければ生きていけない存在である。このため、動物の利用又は殺処分を疎んずるのではなく、自然の摂理や社会の条理として直視し、厳粛に受け止めることが現実には必要である。しかし、人を動物に対する圧倒的な優位者としてとらえて、動物の命を軽視したり、動物をみだりに利用したりすることは誤りである。命あるものである動物に対してやさしい眼差しを向けることができるような態度なくして、社会における生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養を図ることは困難である。

(動物の管理)
人と動物とが共生する社会を形成するためには、動物の命を尊重する考え方及び態度を確立することと併せて、動物の鳴き声、糞尿等による迷惑の防止を含め、動物が人の生命、身体又は財産を侵害することのないよう適切に管理される必要がある。

このような動物による侵害を引き起こさないように適切に管理するためには、動物の係留、屋内での飼養、みだりな繁殖の防止等の措置を講じる等により、動物の行動等に一定程度の制約を課すことが必要となる場合がある。また、所有者がいない動物に対する恣意的な餌やり等の行為のように、その行為がもたらす結果についての管理が適切に行われない場合には、動物による害の増加やみだりな繁殖等、動物の愛護及び管理上好ましくない事態を引き起こす場合があることについても十分に留意する必要がある。

ペットが伴侶動物(コンパニオンアニマル)として生活に欠かせない存在となりつつある一方、動物が人と一緒に生活する存在として社会に受け入れられるためには、人と動物の関わりについても十分に考慮した上で、その飼養及び保管(以下「飼養等」という)を適切に行うことが求められる。動物の所有者又は占有者(以下「所有者等」という。)は、自分が第三者に対する加害者になり得ることについての認識がややもすると希薄な傾向にあるが、すべての所有者等は加害者になり得るととともに、すべての人が被害者になり得るものであるという認識の下に、所有者等は、動物を所有し、又は占有する者としての社会的責任を十分に自覚して、動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害を引き起こさないように努めなければならない。

(合意形成)
国民が動物に対して抱く意識及び感情は、千差万別である。例えば、家庭動物等の不妊去勢措置、猫の屋内飼養、動物実験、畜産等における動物の資源利用、様々な動物を食材として利用する食習慣、狩猟等の動物の捕獲行為、動物を利用した祭礼儀式、外来生物の駆除、動物の個体数の調整、安楽殺処分等については、これらの行為が正当な理由をもって適切に行われるものである限り、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「動物愛護管理法」という。)やその精神に抵触するものではないが、現実には、これらの行為に対する賛否両論が国内外において見受けられる。

このように、個々人における動物の愛護及び管理の考え方は、いつの時代にあっても多様であり続けるものであり、また、多様であって然るべきものであろう。しかし、万人に共通して適用されるべき社会的規範としての動物の愛護及び管理の考え方は、国民全体の総意に基づき形成されるべき普遍性及び客観性の高いものでなければならない。また、動物愛護の精神を広く普及し、我々の身についた習いとして定着させるためには、我が国の風土や社会の実情を踏まえた動物の愛護及び管理の考え方を、国民的な合意の下に形成していくことが必要である。

動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針(PDF)

実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準

一般原則

1 基本的な考え方
動物を科学上の利用に供することは、生命科学の進展、医療技術等の開発等のために必要不可欠なものであるが、その科学上の利用に当たっては、動物が命あるものであることにかんがみ、科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること、できる限り利用に供される動物の数を少なくすること等により動物の適切な利用に配慮すること、並びに利用に必要な限度において、できる限り動物に苦痛を与えない方法によって行うことを徹底するために、動物の生理、生態、習性等に配慮し、動物に対する感謝の念及び責任をもって適正な飼養及び保管並びに科学上の利用に努めること。また、実験動物の適正な飼養及び保管により人の生命、身体又は財産に対する侵害の防止及び周辺の生活環境の保全に努めること。

2 動物の選定
管理者は、施設の立地及び整備の状況、飼養者の飼養能力等の条件を考慮して飼養又は保管をする実験動物の種類等が計画的に選定されるように努めること。

3 周知
実験動物の飼養及び保管並びに科学上の利用が、客観性及び必要に応じた透明性を確保しつつ、動物の愛護及び管理の観点から適切な方法で行われるように、管理者は、本基準の遵守に関する指導を行う委員会の設置又はそれと同等の機能の確保、 本基準に即した指針の策定等の措置を講じる等により、施設内における本基準の適正な周知に努めること。また、管理者は、関係団体、他の機関等と相互に連携を図る等により当該周知が効果的かつ効率的に行われる体制の整備に努めること。

4 その他
管理者は、定期的に、本基準及び本基準に即した指針の遵守状況について点検を行い、その結果について適切な方法により公表すること。なお、当該点検結果については、可能な限り、外部の機関等による検証を行うよう努めること。

実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(PDF)

動物の殺処分方法に関する指針(環境省告示)

一般原則

管理者及び殺処分実施者は、動物を殺処分しなければならない場合にあっては、殺処分動物の生理、生態、習性等を理解し、生命の尊厳性を尊重することを理念として、その動物に苦痛を与えない方法によるよう努めるとともに、 殺処分動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害及び人の生活環境の汚損を防止するよう努めること。

動物の殺処分方法に関する指針(PDF)

農林水産省の所管する研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(H18年農林水産省通知)

前文

農林水産に関する試験研究及び検査は、広く動植物を対象とした生命科学を基盤とし、安全な食料の生産とその安定的供給を通じて国民生活の向上に寄与するとともに、環境との調和により持続的発展を目指す我が国の農林水産業を科学的・技術的側面から支えている。こうした試験研究及び検査では、諸課題の解決に必要なやむを得ない手段として動物実験等が行われているが、これは動物に犠牲及び苦痛を強いるものであることから、動物実験等を実施する者は、動物の愛護の観点から、適正に行わなければならない。

一方、平成17年6月に、動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第68号)が公布され、さらに動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「動物愛護管理法」という。)に基づき、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年4月28日環境省告示第88号。以下「飼養保管基準」という。)が制定された。これらにおいては、これまで規定されていた「科学上の利用に必要な限度において、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないこと(Refinement)」に加えて、「科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること(Replacement)」及び「科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること(Reduction)」に関する規定が新たに盛り込まれ、我が国においても、国際的に普及している「3Rの原則」にのっとり、動物実験等を実施することが求められることとなった。

このような状況を踏まえ、農林水産省の所管する研究機関等における実験動物を用いた動物実験等について、科学的観点と動物愛護の観点とを両立させ、その適正な実施を図るため、ここに基本指針を定める。

農林水産省の所管する研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(PDF)

研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(H18文部科学省告示)

前文

地球上の生物の生命活動を科学的に理解することは、人類の福祉、環境の保全と再生などの多くの課題の解決にとって極めて重要であり、動物実験等はそのために必要な、やむを得ない手段であるが、動物愛護の観点から、適正に行われなければならない。

このため、研究機関等においては、従前から「大学等における動物実験について(昭和62年5月25日文部省学術国際局長通知)」等に基づき、動物実験委員会を設けるなどして、動物実験指針の整備及びその適正な運用に努めてきたところであるが、今後も生命科学の進展、医療技術等の開発等に資するため、動物実験等が実施されていくものと考えられる。

一方、平成17年6月に動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第68号)が公布され、動物実験等に関する理念であるいわゆる3Rのうち、Refinement(科学上の利用に必要な限度において、できる限り動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないことをいう。)に関する規定に加え、Replacement(科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用することをいう。)及びReduction(科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限りその利用に供される動物の数を少なくすることをいう。)に関する規定が盛り込まれた。

このような動物実験等を取り巻く環境の変化を受け、研究機関等においては、科学上の必要性のみならず、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「法」という。)及び実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年環境省告示第88号。以下「飼養保管基準」という。)の規定も踏まえ、科学的観点と動物の愛護の観点から、動物実験等を適正に実施することがより重要である。

このような現状を踏まえ、動物実験等の適正な実施に資するため、研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(以下「基本指針」という。)を定める。

研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(PDF)

厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針(H27年厚生労働省通知)

前文

生命科学の探究、人及び動物の健康・安全、環境保全等の課題の解決に当たっては、動物実験等が必要かつ唯一の手段である場合があり、動物実験等により得られる成果は、人及び動物の健康の保持増進等に多大な貢献をもたらしてきた。

一方、動物実験等は、動物の生命又は身体の犠牲を強いる手段であり、動物実験等を実施する者はこのことを念頭におき、適正な動物実験等の実施に努める必要がある。また、平成17年6月に動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第68号)が公布され、これまで規定されていたRefinement(苦痛の軽減)に関する規定に加え、Replacement(代替法の利用)及びReduction(動物利用数の削減)に関する規定が盛り込まれ、我が国においても、動物実験等の理念であり、国際的にも普及・定着している「3Rの原則」にのっとり、動物実験等を適正に実施することがより一層重要となっている。

本指針は、このような状況を踏まえ、厚生労働省の所管する実施機関において、動物愛護の観点に配慮しつつ、科学的観点に基づく適正な動物実験等が実施されることを促すものである。

厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針(PDF)